ネマガリタケの下処理について

北海道、東北地方ではタケノコといえば、このネマガリタケ(チシマザサ)の事をいいます。

今回は、ネマガリタケを収穫した後の下処理について記事にしようと思います。

収穫したネマガリタケは出来るだけその日の内に下処理を済ませる様にして下さい。日が経つと水分がどんどん抜けて萎れていきます。もしも大量に収穫しすぎてその日に下処理できない場合は水分が抜けない様に、濡れた新聞紙で包むか、要らないタオルを濡らして包むなどして乾燥を防いだ上で、ビニール袋などに入れてキッチリ縛って下さい。1日なら常温でも大丈夫です。

経験上、下処理にかかる時間は、1人で10キロあたり2時間以上かかります・・・

それでは本題へ。まずは収穫したタケノコのゴミや泥を水で洗って下さい。特に根本の小口は泥などが付着していて、皮むきの時に切り口に泥が入ったりするので綺麗に洗い流して下さい。切り落としても構いません。

洗い終わったら良く切れる包丁、又はカッターで下から上へ写真の様に皮を少し切り取ります。身が見える程度です。

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このままコンロや炭火で焼いても美味しいです。焼く場合は、皮に切り込みを入れないと焼けた時に熱くて皮が剥けません。

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この切り口から手で皮を剥きます。親指の爪を上手く使うと剥きやすいです。

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剥き終わったら1番下の節を切り落とします。節も食べれますが、1番下の節は硬くて、ほとんど食べれないので、迷わず切り落として下さい。節の真上から切るのがポイントです。

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次は茹で方について。

皮を剥き下の節を切り落としたタケノコを鍋に並べて、水を入れ火にかけます。約10リットルの鍋に対して米糠一握り(無ければ米の研ぎ汁)と、鷹の爪2本を入れます。米糠はティーパックなどに入れて、米糠が漏れない様にして下さい。米糠をそのまま一緒に煮てしまうと、節の穴に米糠が入り込み、後で瓶詰めにする時などに節の穴から出てきたりと良い物ができません。

米糠を入れないとアクが抜けづらくエグミが強くなります。鷹の爪は辛くはなりません。スッキリとシャープな味になります。

どちらも入れないパターンも試してみましたりしましたが、両方をこの分量入れるのが最善でした。

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火にかけて沸騰してから10分中火で茹でます。

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茹であがりの熱々をマヨネーズで食べるのも美味しいです。

茹で上がったら冷水に晒してしっかりと冷まします。冷まさずに茹で汁に浸けたまま自然に冷ますと色が抜けます。(瓶詰め保存したタケノコは高温で処理するので色が抜けています。)

次は節切りについて。せっかく収穫したタケノコをそのまま1本全部食べたい!という気持ちはわかりますが、残念ですが節の硬い部分は食べれません。

一本の姿で食べれる食感の良い部分は、上から7〜8センチくらいです。食べれない事はありませんが、それより下の部分の節は硬くて筋張ってます。

切り落とすポイントですが、節の真上はスッと包丁が入りますが、節の下は包丁がスッと入る所から切ります。包丁で探りながら位置を下げていって下さい。丁度節の部分が食べれません。

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上の写真の、上に切り分けた部分が捨てる所で、下の写真が食べれる部分になります。

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これで下処理と節切りは完了です。保存は冷水に浸けて冷蔵庫で保管して下さい。毎日必ず水を取り替えて、保存期間は3日くらいが目安です。