失敗しないネマガリタケの瓶詰め方法

今回は絶対に失敗しないネマガリタケの瓶詰めの作り方について記事にしようと思います。

皆どんなやり方なの?と思ってネット検索してみたら、失敗報告があったり、説明が不十分だったりで、そりゃ失敗しますよ( ;∀;)というブログが多い事・・・

せっかくなら自分で採ったタケノコを保存して正月に食べたり、遠く離れてる親族や友人にあげたいですよね。

f:id:ichinohenohe:20200615230328j:image

近くに加工業者もない場合が多いと思います。

私は年間100本以上のタケノコの瓶詰めを制作していますが、失敗は1本もありません。

今回は皆様の手助けになれば幸いと思い記事にしていきます。

まず必要な物は大きな鍋!これがないと始まりません。私は毎年大量に作る瓶詰め用に30Lの寸胴を使っていますが一般家庭向きではありませんね。

これなら1度に中瓶(450ml)14本、大瓶なら(900ml)を9本加工できますが、一般家庭にあるのは珍しいと思いますので、今回は10Lの鍋で説明していきます。

縦ではなく横置きでも失敗はしませんので、ご安心下さい。

それではまず用意するもの。

耐油性の手袋、軍手、トング、保存瓶、新品の蓋、鍋です。途中でお湯を追加するので、ケトルなどで1L熱湯も用意して下さい。

軍手の表面だけにゴム加工がされている物は、布部分に熱湯がかかり火傷したり、薄くて熱が貫通するので不向きです。

f:id:ichinohenohe:20200615204139j:image

耐油性の手袋だけでは、蓋を閉める時に熱が貫通して火傷の原因になるので軍手の上から2重にします。トングはシリコン製の物が望ましいです。

耐油性の手袋は、中性洗剤で洗って下さい。ザラザラの部分に洗剤が残りやすいのでよく水で洗って洗剤を流して下さい。

次に保存瓶と蓋、トングも中性洗剤で洗って下さい。

保存瓶の蓋は必ず新品を使用して下さい!20円位で蓋だけ売ってるのでケチって使いまわさない事が重要です!失敗の原因になります!パッキンが劣化していたり、変形していたりします。パッキンの劣化は見た目でわからない場合もあるので、必ず新品を使用して下さい!

今回は大瓶2本と中瓶1本を加工していきます。

洗った瓶にタケノコを詰めていきますが、上部1センチくらい空ける様に詰めて下さい。

f:id:ichinohenohe:20200615205101j:image
f:id:ichinohenohe:20200615205105j:image

横から

f:id:ichinohenohe:20200615205304j:image

下から
f:id:ichinohenohe:20200615205308j:image

上から

この状態のタケノコは綺麗な緑色をしていますが、瓶詰めで高温処理すると色が抜けます。こればかりはしょうがないのでご了承下さい。

詰め終わったら鍋に並べます。大瓶は縦では出てしまいますので、横で寝かせてます。鍋いっぱいに水を張って、水から沸かしていきます。

 

ここで疑問に思った方!あれ?瓶の煮沸はしないの?どのブログでも先に瓶と蓋を煮沸消毒してるよ?

 

しかしこの作業。無意味です。必要ありません!ジャム作りの様に、保存瓶に直接加工品を入れる場合は瓶のみの煮沸消毒は必要になりますが、タケノコの瓶詰めでは、タケノコの瓶ごと煮沸するので、瓶のみの煮沸消毒、滅菌は必要ありません!

 

それでは鍋を火にかけていきます。キツキツですね。隙間に蓋を入れてます。今回は家庭できるようにわざと普通の鍋で解説していきます。大瓶2本と、中瓶1本を、加工します。

この状態で沸騰させます。沸騰後は吹きこぼれない様に30分中火でグラグラ煮ていきます。

沸騰して最初の5分はトングも浸けて煮沸消毒します。

f:id:ichinohenohe:20200615210250j:image

f:id:ichinohenohe:20200615210523j:image

沸騰している30分の時間。ただ放置する訳ではありません!この時間が失敗しない為の重要な時間です。

5分おきに弱火にして、瓶の空気を抜いていきます。

f:id:ichinohenohe:20200615210734j:image

↑瓶の上に空気溜まりができていますね。この空気を瓶を傾けて空気を抜きお湯でいっぱいにし、少し瓶をトングで回して空気が溜まっていた面を下にします。

f:id:ichinohenohe:20200615211001j:image

↑この様な作業を5分おきにして下さい。途中ケトルで沸騰させている熱湯を足しながら湯量が減らないようにして下さい。せっかく沸騰した温度を下げない為に必ず熱湯を足して下さい。

30分が経過した頃に弱火にすると・・・

f:id:ichinohenohe:20200615211353j:image

↑空気溜まりがありませんね。これで脱気の完了です。まだ空気が溜まる場合は、瓶の中に空気が溜まらなくなるまで煮て下さい。

蓋を半締めにする必要はありません。瓶の中から、もう空気は出てきませんからね。蓋も内圧で膨張する事もありません。

この状態で手袋を嵌め、トングで熱湯の中で蓋を閉めていきます。この時余計な空気が入らない様にしてください。

この熱湯の中でトングで蓋を閉める作業が意外と難しいので慎重に焦らずにやりましょう。

トングで蓋を閉めれるまで閉めたら、瓶を取り出してしっかりと本閉めします。

f:id:ichinohenohe:20200615211929j:image

蓋を回すというよりは蓋は押さえて下の手の瓶を回すという意識で回すとよく閉まります。

そしたらまた熱湯に戻して5分煮ます。蓋部分が熱湯から出ないようにします。

f:id:ichinohenohe:20200615212158j:image

上記で書いている瓶の中の空気を抜いたりする工程は、瓶を縦置きでしっかり浸かる鍋を使用する場合は必要ありません。沸騰して30分放置で大丈夫です。

今回は一般家庭でもできるように、わざと横向きで置いています。横向きだとしっかりと脱気できたかも目視で確認できますしね。

蓋をして5分煮沸したら、取り出して逆さまに置きます。

f:id:ichinohenohe:20200615213435j:image

↑空気溜まりは少ししかありませんが・・・

f:id:ichinohenohe:20200615213838j:image

↑3時間経過して冷めた物は、空気溜まりがあります。え?なんで?失敗?

いえ、大丈夫です。安心してください。これが普通です。水は沸騰すると熱膨張により、体積が増えます。取り出し直後の100度から20度くらいまで下がると、約4%減量します。この部分は真空です。水が収縮減量した事により、タケノコの真ん中の穴から絞り出されたわずかな気泡等が水の減圧により引き延ばされた真空の空間です。

f:id:ichinohenohe:20200615214227j:image

これで完成です!タケノコは高温処理で色が抜けていますが、食感や風味はそのままです。これで暗所保管で1年以上持ちますので正月も楽しめますね!

蓋を開ける時は真空状態で、よっぽどの怪力じゃないと開けれません。蓋を再利用する事を考えずに、迷わず蓋の中心にキリなどで穴を開けましょう。蓋の再利用は失敗の原因です。蓋は消耗品と割り切って下さい。

 

他の方のブログでの代表的な失敗例を挙げると

瓶は煮沸するのに菜箸やトングを煮沸しない。

蓋を閉める時に空気が入る。

蓋の再利用。※これが最大の理由です。真空状態の瓶の内圧の低さは相当です。パッキンが傷んでいたり、蓋が歪んだりしていると内圧の低下により外部の空気を取り込んでしまいます。

滅菌されていないタオルや布巾を使用している。

煮沸時間が足りなく、瓶の中心まで滅菌できていない。等が原因だと思います。